子どものアレルギー

小児のアレルギーとは

小児のアレルギーとはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)など、お子様のアレルギー性疾患は年々増加傾向にあります。近年、乳幼児期の皮膚炎を早期に治療することで、将来の食物アレルギーの発症を予防できることが明らかになってきています。
当院では、正しいスキンケア、外用薬の塗り方、離乳食、食事の注意点などをわかりやすくご説明しますので、何でもお気軽にご相談ください。

よく見られるお子様のアレルギー症状

その他

食物アレルギー

食物アレルギー免疫系は、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るために機能しています。この免疫系が、本来無害な物質を外敵とみなしてしまい、過敏に反応して攻撃する状態をアレルギーと言います。
食物アレルギーでは、無害な食物に含まれる物質に対して免疫系が過剰に反応します。
アレルギーの原因となるアレルゲンを含む物を食べると、アレルゲンは腸から吸収されます。吸収されたアレルゲンは血液を通じて全身に運ばれ、皮膚、気管支、鼻の粘膜、目の結膜などでアレルギー反応を引き起こします。
食物アレルギーは、アレルゲンを吸い込んだり、アレルゲンが皮膚や粘膜に接触したりした場合にも引き起こされることがあります。
ほとんどの場合は IgE 抗体が関係しますが、IgE に依存しない非即時型もあります。
さらに、口腔アレルギー症候群や食物依存性の運動誘発アナフィラキシーなど、特殊な食物アレルギーもあります。

食物アレルギーの原因になる食べ物

食物アレルギーの原因となるアレルゲンは人によって異なりますが、鶏卵、牛乳、小麦が最も多く、食物アレルギー全体の70%以上を占めています。次いで、ピーナッツ、果物、魚卵、甲殻類となっています。

エピペン(アナフィラキシーの補助治療剤)

エピペンは、アドレナリンを用いてアナフィラキシーショックに対処する緊急補助治療薬です。アナフィラキシーは、アレルゲン (食品や蜂の毒など) が体内に侵入したときに起こる全身性アレルギーです。突然、呼吸困難や意識喪失、血圧低下などが起こることをアナフィラキシーショックといいます。アナフィラキシーショックが発生した場合、すぐに治療しないと生命に危険が及ぶ可能性があります。リスクが高い場合は、事前にエピペンを携帯して備えておくと、医療機関に運ばれるまでに症状が悪化する事態を防ぐことができます。
ただし、エピペンは劇薬に指定されているため、医師が必要と判断した患者様にのみ処方されます。

アレルギー性鼻炎(花粉)

アレルギー性鼻炎(花粉)アレルギー性鼻炎は季節性(スギ花粉など)と通年性(ダニなど)に分類されます。目に症状が出る場合はアレルギー性結膜炎です。基本的に治療は、アレルゲンとの接触を避け、抗アレルギー薬を服用し、点鼻薬や点眼薬を使用することなどによって行います。

舌下免疫療法

アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」といいます。舌下免疫療法は、アレルゲンを少量体内に取り入れ、徐々に体を慣らしていく治療法です。
ダニアレルギーやスギ花粉アレルギーの治療法として一般的に用いられます。
誰にでも必ず効果が見込める治療法ではありませんが、症状の軽減や消失が期待できます。
治療期間が3~5年と長いのが難点です。
治療開始には血液検査による「スギ」と「ダニ」のRAST反応(※)が陽性であることの確認が必要です。

ダニアレルギーの舌下免疫療法は、一年中いつでも始めることができますが、スギ花粉アレルギーはスギ花粉の飛散時期以外に治療を開始する必要があります。
(※RAST:アレルゲン(アレルギーの原因物質)に対するIgE抗体(アレルギー抗体)の有無とその量を調べる検査)

アレルギー性結膜炎

花粉やダニがまぶたの裏や目の結膜に付着し、充血、痒み、涙の増加、目やになどの症状を引き起こします。アレルギー性結膜炎には季節性と通年性があり、他に春季カタルがあります。
問診や症状から診断しますが、血液検査を行う場合もあります。花粉が原因のアレルギー性結膜炎の場合は、花粉の飛散時期になる少し前に治療を開始すると症状が軽減される場合があります。春季カタルの症状は重篤になりやすく、眼科での専門的な治療が必要です。

お子様のアレルギー治療についてのお願い

お子様のアレルギーをどれだけうまくコントロールできるかは、保護者の皆様のご尽力によるところが大きいです。
当院の治療方針を詳しくご説明しますので、十分にご理解いただいた上で、一緒に取り組んでいければと思います。
治療中にご不安な点やご質問が生じましたら、何でもお気軽にお尋ねください。
質問には全て丁寧にお答えします。当院にとって、保護者の皆様とのコミュニケーションは非常に重要です。